情報の確認
記載内容は記事に表示された情報確認日時点のものです。重要な判断にあたっては、必要に応じて弁護士、税理士その他の専門家へご相談ください。
Contact 食品EC
お取り寄せで失敗しないために、まず知っておいたほうがいいことがあります。
通販サイトの商品ページに書かれている内容は、食品表示のルールが適用される対象ではありません。消費者庁が公表している「インターネット販売における食品表示の情報提供に関するガイドブック」には、次のように書かれています。
食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)は食品の容器包装への表示を適用範囲としており、ECサイトにおける食品表示情報の掲載については適用範囲外となっています
同じガイドブックは、自身の位置づけを「参考ツールとしてご活用ください」としています。つまり、サイトに何をどこまで書くかは、いまのところお店の判断に委ねられています。
これは「通販サイトは信用できない」という話ではありません。丁寧に書いているお店ほど信頼できる、という判断材料になるという話です。そして、アレルギーや保存温度のように体に関わることは、届いた商品の表示で確かめる必要があるということでもあります。
向く人:お取り寄せをよく使う方。贈り物として食品を送る方。アレルギーのあるご家族がいる方。小さなお子さんや高齢のご家族がいる方。
向かない人:具体的な商品のおすすめを知りたい方。本記事では商品名を挙げていません。実際に食べていないものを勧める形にしないためです。
食品表示基準では、この2つは別々に定義されています。
| 区分 | 定義(食品表示基準 第2条第1項) |
|---|---|
| 消費期限 | 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日(第7号) |
| 賞味期限 | 定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする(第8号) |
ざっくり言えば、消費期限は「安全」の話、賞味期限は「おいしさ」の話です。消費者庁の資料では、消費期限は「品質が急速に劣化する食品」に、賞味期限は「それ以外の食品」に表示するとされています。
消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(令和7年3月)には、こう書かれています。
容器包装を開封する前の状態で、表示されている保存方法で保存した場合に、安全性や品質が保持される期限
「開封する前」と「表示されている保存方法で保存した場合」。この2つが前提です。開けたあとの日持ちは、期限表示とは別の話になります。冷蔵と書かれているものを常温に置いた場合も同じです。
お取り寄せでは、届いてから食べるまでに何日あるかが読みにくくなります。到着日を指定できるか、届いた時点で期限まで何日残っているかを書いているお店かどうかは、確認しておく価値があります。
食品表示基準は、原材料名の表示方法をこう定めています。
原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する
いちばん最初に書かれているものが、いちばん多く使われています。「◯◯たっぷり」と書かれた商品でも、原材料名の先頭が水や砂糖であれば、想像と違うかもしれません。ここは商品名や説明文よりも、事実に近い情報です。
食品表示基準では、原材料名と添加物は別々の表示事項として定められています。消費者庁の資料には、原材料名欄にまとめて書く場合の区分方法として、次の記載があります。
「原材料名欄」に表示する場合は、「/」で区切ったり、改行したり、原材料名と明確に区分して表示されます
スラッシュより前が原材料、後ろが添加物と読めます。添加物があること自体は問題ではありません。ただ、どこからが添加物なのかを知っていると、表示の見え方が変わります。
ここは、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
表示が義務づけられている「特定原材料」は、2026年4月1日からカシューナッツが加わって9品目になりました。消費者庁の「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(令和8年4月作成)」には、次のように書かれています。
重篤度・症例数の多い9品目(特定原材料:えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ))については、食品表示基準で表示を義務付けし
ただし、カシューナッツには経過措置があります。消費者庁の「食品表示基準の改正一覧」によると、令和8年4月1日施行、経過措置は令和12年(2030年)3月31日までです。
つまりいま流通している商品の中には、カシューナッツの表示がないものが混ざっている可能性があります。「9品目は必ず書いてあるはず」と考えないでください。
なお、先に追加されたくるみの経過措置は、令和7年(2025年)3月31日で終了しています。こちらはすでに完全施行です。
「特定原材料に準ずるもの」として、通知により表示が推奨されている20品目があります。アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンです。
通知の文言は「可能な限り表示するよう努める」です。義務ではないため、書かれていない商品があります。これらのアレルギーがある場合は、表示がないことをもって「入っていない」と判断せず、販売店に直接お問い合わせください。
冷凍食品といえば−18℃、と聞いたことがある方は多いと思います。調べてみると、これは日本の法令が定めた数字ではありませんでした。
食品衛生法にもとづく規格基準(食品、添加物等の規格基準・昭和34年厚生省告示第370号)は、こう定めています。
冷凍食品は、これを-15°以下で保存しなければならない
法令上は−15℃以下です。では−18℃はどこから来たのか。農林水産省の資料によると、国際的な実施規範(CODEX CAC/RCP 8-1976)が急速冷凍食品について18℃以下を規定しており、これを踏まえて日本冷凍食品協会が「冷凍食品自主的取扱基準」や衛生管理の手引書で−18℃以下としている、という経緯です。
つまり−18℃は、法令の義務ではなく、業界がより厳しく設定している基準です。冷凍まわりは論点が多いため、冷凍食品とクール便の基礎知識に切り出してまとめました。クール便の温度帯が運送会社ごとに違うことも、そちらで扱っています。
農林水産省は、消費者向けの相談ページで次のように書いています。
家庭の冷凍庫は開閉が頻繁で温度変化が起きやすいので、2~3ヶ月で使い切りましょう。
同じページには、−18℃以下で温度変化を少なく保存した場合はおおむね8〜24か月品質が保たれる、という記載もあります。まとめ買いをして半年後に食べる、という前提だと、想定どおりにいかない場合があります。
要冷蔵の食品には、食品ごとに保存温度の基準があります。同じ告示から、代表的なものを挙げます。
| 食品 | 保存基準 |
|---|---|
| 生食用鮮魚介類 | 清潔で衛生的な容器包装に入れ、10℃以下で保存 |
| 生食用かき | 10℃以下で保存(冷凍かきは−15℃以下) |
| 生食用食肉(牛) | 4℃以下で保存(凍結させたものは−15℃以下) |
| 冷凍食品 | −15℃以下で保存 |
届いたらすぐ冷蔵庫・冷凍庫に入れる。当たり前のようですが、生ものほど守る意味があります。受け取れる日時を指定できるかどうかは、注文前に確認しておいてください。
消費者庁は、次のように注意を呼びかけています。
生後1歳未満の乳児には与えてはいけません! 乳児ボツリヌス症を発症することがあります。
ボツリヌス菌は熱に強い「芽胞」をつくるため、加熱しても防げません。はちみつそのものだけでなく、はちみつを使った焼き菓子や飲料も対象です。贈り物として選ぶときは、送り先に小さなお子さんがいないかをご確認ください。
生食用の牛肉には、容器包装に表示すべき事項が定められています。消費者庁と厚生労働省の連名リーフレットによると、必ず表示されるのは次の内容です。
厚生労働省は、豚肉やレバーなどの内臓、野生鳥獣(ジビエ)の肉について中心部まで十分に加熱して食べるよう呼びかけています。
健康を意識した食品を選ぶとき、パッケージの言葉は似て見えます。国の関与の仕方は、まったく違います。
| 区分 | 国の関与 |
|---|---|
| 特定保健用食品(トクホ) | 食品ごとに消費者庁長官が個別に許可。国が審査しています |
| 栄養機能食品 | 自己認証制。個別の許可申請は不要で、定められた基準の範囲内であれば表示できます |
| 機能性表示食品 | 届出制。消費者庁の資料に「消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません」と明記されています |
この3つ以外は「その他健康食品」であり、保健機能食品ではありません。
また、消費者庁は「健康食品はあくまでも食品であり、医薬品ではないので、『病気が治った』という表現は、特に注意が必要です」としています。病気が治る、体の組織が強くなる、といった表現をしている食品の広告を見かけたら、いったん立ち止まってください。
くり返しになりますが、これらをサイトに書く義務はありません。だからこそ、書いてあるかどうかが、そのお店の姿勢を映します。
いいえ。消費者庁のガイドブックに「食品表示基準は食品の容器包装への表示を適用範囲としており、ECサイトにおける食品表示情報の掲載については適用範囲外となっています」と明記されています。サイトへの記載は義務ではありません。ただし同庁は、事業者の自主的な取組として購入画面等で情報を提供することが望ましいとしています。書かれていない場合は、販売店に直接お問い合わせください。
食品表示基準の賞味期限の定義には「当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする」というただし書きがあります。一方、消費期限は「安全性を欠くこととなるおそれがない」期限です。性質が違うため、同じようには扱えません。いずれも「開封前」「表示された保存方法で保存した場合」が前提です。個別の商品について食べられるかどうかは、本記事では判断できません。
そう考えないでください。理由は2つあります。1つは、20品目の「特定原材料に準ずるもの」は通知による推奨であり、表示は義務ではないためです。もう1つは、義務表示の9品目のうちカシューナッツは2026年4月1日施行で、経過措置が2030年3月31日まであるため、表示のない商品が流通している可能性があるためです。心配な場合は、必ず販売店または製造者にご確認ください。
農林水産省は「家庭の冷凍庫は開閉が頻繁で温度変化が起きやすいので、2〜3ヶ月で使い切りましょう」としています。−18℃以下で温度変化を少なく保存した場合はおおむね8〜24か月品質が保たれるという記載もありますが、家庭の環境は同じではありません。なお、食品衛生法にもとづく規格基準は「−15℃以下」で、−18℃は国際的な実施規範と業界の自主基準に由来する数値です。
いいえ。消費者庁のパンフレットには機能性表示食品について「消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません」と明記されています。事業者の責任で表示し、販売前に安全性と機能性の根拠に関する情報を消費者庁長官へ届け出る制度です。食品ごとに国が個別に許可しているのは特定保健用食品(トクホ)です。
ここまでは買う側の視点で書きました。ネットに書く義務がないからこそ、書いているお店が選ばれるというのが、この記事の裏側の話でもあります。
食品をECで販売する事業者の方に向けては、別の記事を用意しています。
合同会社NEXBIZでは、食品ECの出店・運営・売上改善のご相談をお受けしています。
本記事は、消費者庁・厚生労働省・農林水産省が公表している情報を整理したものです。個別の商品について、食べられるかどうか、安全かどうかを判断するものではありません。アレルギーや体調に関わることは、販売店・製造者、または医師にご相談ください。制度・基準は改正されることがあります。掲載内容は情報確認日時点のものです。
NEXBIZ EC SUPPORT
NOTICE
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定のサービスへの申込み、契約、投資その他の判断を勧誘・推奨するものではなく、特定の成果を保証するものでもありません。合同会社NEXBIZは金融機関、銀行代理業者または金融商品仲介業者ではありません。申込み・審査・契約は、利用者と各サービス提供事業者との間で行われます。制度、規約、料金、金利、特典、審査条件等は変更される場合があるため、必ず各事業者の公式情報をご確認ください。
記載内容は記事に表示された情報確認日時点のものです。重要な判断にあたっては、必要に応じて弁護士、税理士その他の専門家へご相談ください。
広告・アフィリエイトを含む記事では、読者が認識できる位置にその旨を表示します。掲載の可否や評価内容は、成果報酬の有無だけで決定しません。
START A CONVERSATION