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食品EC

食品ECのモール比較|楽天・Amazon・Yahoo!・TikTok Shopの費用

結論:モールを選ぶ前に、商材の条件を先に決めます

「食品を売るならどのモールがいいか」という質問に、すべての事業者に共通する答えはありません。単価、温度帯、生産量、ギフト比率。この4つが決まっていないと、どのモールを見ても判断できないためです。

この記事では主要モールの性質の違いを同じ軸で整理します。費用の具体的な数値は各モールで異なり、変更もされるため、必ず公式情報をあわせてご確認ください。

なお「そもそもモールに出すか、自社ECにするか」を迷っている段階の方は、先にモール型ECと自社EC、食品事業者はどう選ぶ?をご覧ください。

モールを比較する前に決めること

決めることなぜ必要か
商品単価単価が低いと、送料と手数料で粗利が残りにくくなります
温度帯(常温/冷蔵/冷凍)クール便の要否が送料設計を左右します
生産量・供給の安定性売れたときに供給が追いつくかは、モール選び以前の前提です
ギフト比率のし・包装・お届け先分割への対応可否が判断材料になります
賞味期限の長さ倉庫サービスを使う場合、残存期限の要件が関わることがあります

楽天市場

店舗という単位で運営する構造が特徴です。商品単体ではなく店として買われる設計になっており、ページの作り込みやイベントへの参加が売上に影響します。食品カテゴリの取り扱いが多く、ギフト需要やまとめ買いとの相性が語られることの多いモールです。一方で、店舗運営そのものに人手がかかる構造でもあります。

出店プランは3つあります

項目がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額出店料25,000円65,000円130,000円
支払方法年間一括払半年ごとの2回分割払半年ごとの2回分割払
契約期間1年1年1年
登録可能商品数10,000商品まで50,000商品まで無制限(初期値20万商品)
画像容量1.5GBまで100GBまで無制限(初期値100GB)
システム利用料(PC)3.5%〜6.5%2.0%〜4.0%2.0%〜4.0%
システム利用料(モバイル)4.0%〜7.0%2.5%〜4.5%2.5%〜4.5%
楽天市場「プラン・費用」(2026年9月7日参照)。同ページに「上記の料金はすべて税別です」と記載されています。

あわせて、全プラン共通でかかる費用があります。初期登録費用60,000円、楽天ポイント原資(楽天会員の購入代金(税抜)×付与率、通常1.0%)、楽天スーパーアフィリエイト(アフィリエイト経由売上の2.6〜5.2%)、取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料(月間売上高の0.1%)、R-Messeの月額固定費(がんばれ!プラン3,000円/スタンダード・メガ5,000円。ただし無料期間中で、終了時期は未定と記載されています)、楽天ペイ(楽天市場決済)利用料(月間決済高の2.5%〜3.5%)です。いずれも税別表記です。

食品事業者が先に見ておきたい3点

1つ目は、楽天スーパーアフィリエイトの料率です。商品ジャンル別に料率が決まっており、公式の料率テーブルでは食品・スイーツ・お菓子・水・ソフトドリンク・日本酒・焼酎・ビール・洋酒がいずれも4%で、家電やパソコン(2%)より高い区分に置かれています。報酬の上限は1商品1個の売上につき1,000円と記載されています。なお、前段の全プラン共通費用に記した「2.6〜5.2%」は店舗が負担する総額、この項の「4%」はジャンル別に定められた料率で、算定の基礎が異なります。

2つ目は、ポイント原資と送料の関係です。公式ページには、商品に送料や代金引換手数料を「込」で設定している場合は送料・代引手数料にも付与率が課金される、「別」にしている場合は課金されない、と明記されています。送料の比重が大きい食品では、送料込みの価格設計とポイント原資の負担が直結します。

3つ目は、定期購入・頒布会サービスです。利用する場合、システム利用料に2.0%(税別)が加算されると記載されています。食品の定期便を前提にするなら、この加算を織り込んで計算することになります。

なお、プランの分かれ目について公式ページには「月商が約178万を超えると、スタンダードプランが一番お得」との記載があります。出店料の差をシステム利用料の料率差で回収できるかどうかが判断軸になります。

  • 集客:モール内検索とイベント。店舗単位のリピートが設計しやすい
  • 運用負荷:ページ制作・イベント対応・メルマガなど、手をかけるほど反映されやすい
  • 検討しやすい商材:ギフト、セット商品、まとめ買いされる食品

Amazon

商品単位で購入される構造です。店舗名よりも商品そのものが選ばれる設計で、検索とレビューの比重が高くなります。

出品プランは2つで、小口出品は商品ごとに100円、大口出品は月額4,900円(税抜)と記載されています。これに販売手数料が加わります。料金ページには「手数料はすべて税抜き表示となっており、下記に記載の金額に加えて税金が課金されます」との注記があります。

「食品&飲料」カテゴリーの販売手数料料率
商品1点あたりの売上の合計が750円以下商品代金の5%
750円を超え、1,500円以下商品代金の8.4%
1,500円を超える商品代金の10.4%
最低販売手数料30円
Amazon「出品サービスの料金」(2026年9月7日参照)。参照日時点で、同社サイト内の食品カテゴリー紹介ページには料金ページと異なる料率の記載も確認されたため、本稿では料金ページの表記を採用しています。実際に適用される料率は、出品前に公式の料金ページでご確認ください。

単価の低い食品ほど料率が下がる階段状の設計になっている点が、他モールと異なります。ただし最低販売手数料30円があるため、たとえば300円の商品では5%=15円ではなく30円が適用されます。少額・多点の商品構成では、この下限が効いてきます。

FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用する場合は、別途、配送代行手数料と在庫保管手数料がかかります。配送代行手数料は商品1点あたり、小型で288円(商品価格1,000円超)/222円(1,000円以下)、標準サイズで318〜532円/252〜466円といった区分です。こちらは「上記の手数料には10%の消費税が含まれます」と税込表記になっています。在庫保管手数料は商品サイズと保管日数から算出され、10月〜12月は他の月より高く設定されています。保管期間が365日を超えた在庫には長期在庫保管手数料が別途発生します。

食品の出品について、公式ページには「特定の商品、ブランド、カテゴリー、サブカテゴリーについては、商品を出品する前に出品許可を得る必要があります」との記載があります。具体的にどの許認可や書類が必要かは、自社の商材ごとに公式ヘルプで確認が必要です。賞味期限のある商品を倉庫に納品する場合の残存期限のルールも、納品前に必ず最新の要件をご確認ください。

  • 集客:検索が中心。レビューの蓄積が効きやすい
  • 検討しやすい商材:定番として繰り返し買われる常温食品、単品で完結する商品
  • 注意点:最低販売手数料30円、要期限管理商品のルール、FBAの季節変動

Yahoo!ショッピング

費用の考え方が他の2モールと大きく異なります。カテゴリー別の販売手数料という区分が存在しません。したがって「食品の手数料は何%か」という問いに対する答えが、そもそも設定されていません。

項目金額・料率
初期費用0円
月額システム利用料(固定費)10,000円(税抜)
売上ロイヤルティ2.5%
ストアポイント原資負担料1%は必須(1〜15%で設定可能)
アフィリエイトパートナー報酬2〜4%は必須(2〜50%で設定可能。カテゴリにより異なる)
アフィリエイト手数料パートナー報酬の30%
LINEショッピングタブ掲載経由料金2〜4%(※2026年は発生なしと記載)
決済サービス利用料決済方法により異なる(下記)
Yahoo!ショッピング「月額費用」(2026年9月7日参照)。売上ロイヤルティ以下の各項目には税区分の明示がありませんでした。

決済サービス利用料は、クレジットカード決済が決済金額の3.24%(非課税。PayPayカード発行のカードは3.0%)、PayPay残高・PayPayクレジット・商品券が3.0%(税別)、ゆっくり払いが3.24%(税別)、キャリア決済が4.48%(税別)、コンビニ決済が200円〜350円/件(税別)、銀行振込(ペイジー)が150円/件(税別)と記載されています。

固定費が月10,000円(税抜)と明示されている一方で、変動費はポイント原資とアフィリエイトの設定次第で動きます。設定できる幅が広いぶん、自社でどこに置くかを決める必要があるのがこのモールの性質です。

食品販売に必要な許認可や届出については、費用ページ・お申込み前の確認事項ページ・グルメ特集ページのいずれにも具体的な記載を確認できませんでした。提出書類の詳細は、申込前に公式の案内でご確認ください。

  • 位置づけ:単独で始めるより、既存チャネルの横展開として検討されることが多い
  • 注意点:チャネルが増えるぶん、在庫と価格の整合を取る運用が必要になります

TikTok Shop

検索からではなく、動画を見ている流れの中で購入されるという点が他のモールと大きく異なります。「探して買う」ではなく「見て知って買う」導線です。そのため、商品ページの作り込みよりも、動画で伝わるかどうかが結果を左右しやすくなります。

費用面では、出店料・初期費用・月額固定費についての記載が公式の手数料ページに見当たりません。公表されているのはカテゴリー別の販売手数料で、「食品・ドリンク」は7%です(同じ7%の区分に、車・バイク、パソコン・オフィス用品、家電、スマホ・デジタル機器、家具、ホームセンター・リフォームが並びます)。他カテゴリーは9%・10%・12%の区分があります。

ただし、手数料の計算対象が他モールと違います。公式ページには、手数料は「カスタマーの支払額 + プラットフォーム割引額 − カスタマーへの返金額 − プラットフォーム割引の返金額」で計算し、「カスタマーの支払額」には商品代金に加えてカスタマーが支払った配送料を含む税込金額が含まれる、と書かれています。つまり送料と消費税を含んだ金額に7%がかかります。送料の比重が大きい食品では、この差は小さくありません(出典:TikTok Shop「TikTok Shopの手数料」2026年9月7日参照)。

なお公式ページには、酒類(ビール、ワイン、スピリッツ)のサブカテゴリーについて料率改定の告知が掲載されていました。酒類を扱う場合は、必ず最新の手数料ページをご確認ください。また、新規セラー向けに一定期間の料率優遇が案内されています。料率の税区分については、公式ページに明示がありませんでした。

食品の取り扱いについては、公式の「制限付き商品」ページに具体的な要求が並んでいます。営業許可(ビジネスライセンス)の取得と、求められた場合の提示。保存期限・有効期限・製造日・警告や注意・原材料などを含む商品ラベルの画像の提出。安全性およびコンプライアンスに関する文書の提出を求められる場合があること。残りの保存期限が妥当であること。温度管理が必要な商品については、冷蔵・冷凍対応の配送業者を利用し、指定の温度範囲(アイスクリーム −18℃以下、冷凍品 −12℃以下、冷蔵品 0〜5℃)を維持することが求められています。

  • 集客:動画・ライブ配信からの流入。継続的なコンテンツ制作が前提になります
  • 運用負荷:撮影・編集の体制が必要。既存のEC運用とは別のリソースがかかります
  • 検討しやすい商材:見た目や調理過程で違いが伝わる食品

TEMU

本稿では、TEMUの出店条件について公式情報を確認できていません。他の4モールと同じ精度で並べられないため、料率や条件の記載は控えます。

検討する場合は、出品条件、価格の考え方、物流の要件、そして食品の取り扱いが可能かどうかを、公式情報で個別に確認する必要があります。カテゴリによって扱いが異なる場合があるため、一般論ではなく自社商材に即した確認をおすすめします。

モールごとに費用の項目そのものが違う楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・TikTok Shopで課金される費用項目の構成の違いFIG. 10費用は『率』より先に『項目』を見る※ 金額・料率は各社の公表ページをご確認ください。ここでは項目の構成だけを並べています楽天市場初期登録費用60,000円月額出店料システム利用料(PC/モバイル)楽天ポイント原資楽天スーパーアフィリエイト取引の安全性向上のための利用料R-Messe 月額固定費楽天ペイ利用料項目数 8Amazon月額登録料(大口)販売手数料(カテゴリー別)最低販売手数料 30円FBA配送代行手数料 ※利用時FBA在庫保管手数料 ※利用時項目数 5Yahoo!ショッピング初期費用 0円月額システム利用料売上ロイヤルティストアポイント原資負担料アフィリエイト報酬・手数料決済サービス利用料項目数 6TikTok Shop初期費用・月額固定費の記載なし販売手数料(カテゴリー別)※手数料は送料を含む税込額に対して計算項目数 3率の大小より、どの項目が発生するかを先に確認します。出典:各社の公表ページ(2026年9月7日参照)をもとに合同会社NEXBIZ作成。個々のURLは本文末尾に記載しています

比較早見表

モール購入の起点運営の単位主な運用負荷費用構造
楽天市場モール内検索・イベント店舗ページ制作・イベント対応月額出店料25,000〜130,000円+システム利用料2.0〜7.0%+ポイント原資ほか(すべて税別)
Amazon検索・レビュー商品商品情報・在庫管理大口 月額4,900円(税抜)+販売手数料5/8.4/10.4%(食品&飲料、最低30円)
Yahoo!ショッピングモール内検索店舗他チャネルとの整合初期0円/月額10,000円(税抜)+売上ロイヤルティ2.5%+ポイント原資1%〜ほか
TikTok Shop動画・ライブ配信商品/配信コンテンツ制作固定費の記載なし+販売手数料7%(食品・ドリンク/送料込み税込額に対して)
TEMU本稿では未確認本稿では未確認本稿では未確認本稿では未確認

この表は優劣を示すものではなく、性質の違いを同じ軸で並べたものです。費用欄の金額・料率は2026年9月7日時点で各社の公式ページに記載されていた内容で、名称も課金対象も各社で異なるため、数字の大小をそのまま比較することはできません。条件は改定されます。実際の判断の前に、必ず各社の公式ページで最新の内容をご確認ください。

食品に関係する料率(各社の公表表記)楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピング・TikTok Shopが公表している食品関連の料率FIG. 11数字は並ぶが、同じ意味ではない※ 名称も課金対象も各社で異なります。単純に大小を比べられる数字ではありません楽天市場システム利用料 2.0〜6.5%(PC)/2.5〜7.0%(モバイル)プランと月間売上高で変動。別途 出店料・ポイント原資等6.5%Amazon販売手数料 5%/8.4%/10.4%(食品&飲料)1点あたり売上 750円以下/〜1,500円/1,500円超。最低30円10.4%Yahoo!ショッピング売上ロイヤルティ 2.5%カテゴリー別の販売手数料という区分がない。別途ポイント原資1%〜等2.5%TikTok Shop販売手数料 7%(食品・ドリンク)送料を含む税込の支払額に対して計算。酒類は改定の告知あり7.0%公表されている上限(目安)棒は各社が公表する上限側の数値を並べたものです。課金対象が異なるため優劣の比較はできません。出典:各社の公表ページ(2026年9月7日参照)をもとに合同会社NEXBIZ作成。個々のURLは本文末尾に記載しています

「1モール集中」と「多店舗展開」の判断材料

チャネルを増やせば売上機会は増えますが、同時に管理する対象も増えます。判断の材料は次のとおりです。

  • 在庫を一元管理できる体制があるか。特に賞味期限のある商品では、売り越しの影響が大きくなります
  • 担当者を置けるか。モールごとに仕様もイベントも異なり、片手間では回りにくくなります
  • 1つ目のモールで型ができているか。商品ページ、価格、送料の型が固まっていないうちに横展開すると、課題が分散します

モール以外の選択肢もあります

食品には、産直プラットフォームや食品に特化した販売チャネル、ふるさと納税といった選択肢もあります。総合モールとは読者層も購入動機も異なるため、商材によってはこちらが合う場合もあります。

まとめ

  • モールを比べる前に、単価・温度帯・生産量・ギフト比率を決める
  • 楽天は店舗単位、Amazonは商品単位という設計思想の違いがある
  • TikTok Shopは「探して買う」ではなく「見て買う」導線で、必要なリソースが異なる
  • 費用や要件は変更されるため、必ず各モールの公式情報を参照日とともに確認する
  • 多店舗展開は、在庫の一元管理と担当者の確保が前提になる

参照した公式情報

よくある質問

最初は1つのモールに絞ったほうがいいですか

体制によります。在庫管理と運用の担当を確保できていない段階で複数を同時に始めると、どのチャネルも中途半端になりやすくなります。1つ目で商品ページ・価格・送料の型を作ってから広げる進め方もあります。

冷凍食品でも出店できますか

モールによって温度帯の扱いや配送の要件が異なります。特に倉庫サービスを利用する場合は対応可否が分かれるため、出店前に各モールの公式情報でご確認ください。

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本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の成果を保証するものではありません。記載内容は情報確認日時点で各社が公表している情報にもとづいています。出店条件、手数料、仕様は変更される場合がありますので、実際のご検討にあたっては必ず各モールの公式情報をご確認ください。掲載しているモール名は各社の商標または登録商標です。

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